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欧文書体が好き
2018年03月09日

デザイナーの北村です。

 

きれいな欧文書体が好きなんですよ。

 

Trajan01

「欧文書体」というのは、一言でいえば「英字フォント」のこと。パソコンの中にはたくさんのフォントが入っていますよね。書体制作会社もたくさんあり、あとから気軽に買い足すこともできます。

美しいフォルムだとか、遠くから見ても読みやすいとか、でっかく使ってかっこいいとか、個性的でありながら実用的だとか。そういう書体を眺めていると、なんだかうっとりしてしまいます。。

 

そんな欧文書体の魅力の一つに、書体が設計・制作された歴史や背景があります。(「設計」という言い方もかっこいい…)現在よく使われている数々の定番書体や人気書体というのは、50年前、100年前、中には500年前には原形ができあがっていて、それを元に現在僕たちが使っている「フォントデータ」にしたものが多いんですよ。

 

 

今回はその一つをご紹介。

 

■Trajan(トレイジャン)

Trajan02

約2000年前の古代ローマ時代、トラヤヌス(Trajanus)帝の石碑や建物等に彫られていた文字を参考に設計されたそうです。

 

Trajan03

 

荘厳で格調を感じさせるフォルムです…。なんて美しいんでしょう…。2000年も前に既にここまで美しい文字が存在していたというのは驚きでしかありません。。。

ちなみに、下の行ほど文字が小さくなっていきますが、これは高いところにある石碑を下から見上げたときに、各行の文字を同じくらいの大きさに見せるためだそうです…!(驚愕)

フォントになった今でも、当時の状況にあわせて小文字は制作されていませんし、文字幅は一定ではないので本文向きではありません。一般的に見出し等で大きめに使い、字間を詰めずゆったり組んであげるのがいいとされています。

映画のタイトルや大学のロゴなど、世界中のいろいろなところで使われているんですよ。

最近だと大河ド○マのオープニング映像で「西郷○ん」と出る前に“ S E G ○ D O N ”と出ますが、あれがTrajanです 笑

 

こういった書体が持つ背景というのは、日常のデザイン業務で書体を選ぶ際には関係のないことですし、影響されることもありませんが、無数にある書体の世界にたしかに深みを持たせているのではないでしょうか。

 

また機会があれば別の書体を紹介できればと思います。

Writing:Kitamura